社内対応と弁護士相談を切り替える目安
企業が日々の相談や社内手順を運用しつつ、個別の法律判断が必要なときは弁護士に直接相談する役割分担を整理します。
役割を分けて考える
記録・担当・社内承認を管理する仕組みと、個別の法律相談は別の役割です。システムは相談内容や対応経過を整理し、顧客企業は自社に必要な雇用管理上の措置を判断・実行します。
弁護士は、企業から委任を受けた範囲で個別案件の法律相談、法的評価、法律文書の作成、相手方との交渉等を行います。一般的なテンプレートを提供することと、企業固有の事情を踏まえて法的助言を行うことは同じではありません。
弁護士への相談を検討する場面
具体的な対応が法的権利義務や紛争に影響しそうなとき、相手方への通知・回答文書や交渉が必要なとき、規程・対応方針を顧客固有の事情に合わせて法的にレビューしたいときなどは、弁護士への相談を検討します。
相談の要否や緊急性をAIが法的に確定するものではありません。危険が迫るときはまず現場の安全を確保し、企業の緊急手順や公的機関への連絡を優先してください。
相談前に整理する情報
- 企業が確認した事実と未確認の事項
- 出来事の時系列、関係者、やり取りの記録
- 社内で既に行った対応と承認者
- 職員の安全・体調と、企業が検討している措置
- 弁護士に確認したい質問、希望する委任範囲
相談用に資料をまとめる際は、必要な情報に限り、企業内で閲覧権限を設定します。利用者・家族や職員の個人情報、健康情報などの共有方法は、弁護士事務所の案内や社内ルールを確認してください。
契約と費用を確認する
個別法律相談は、企業と弁護士が直接契約し、相談範囲と弁護士報酬を確認して依頼します。システム利用料や初期導入費とは契約・精算を分け、相談の紹介件数や弁護士報酬額に連動した手数料を前提にしない設計が必要です。
サービスの機能、広告表示、情報共有、システム料金、監修・研修等の対価については、実際の契約内容を踏まえて弁護士に確認します。
弁護士法72条は、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で一般の法律事件等について法律事務を取り扱い、または周旋することを業とすることを制限しています。サービスの適法性は条文だけで決まるものではなく、実際の機能・業務・契約・対価等を踏まえた確認が必要です。
弁護士法(e-Gov法令検索) ↗法務省 ビジネスと弁護士法72条の関係に関するガイドライン ↗